海外での電子タバコの死亡事故などが連日ネットニュースを中心に報道されていた2019年。
今でも電子タバコによる健康被害に関しては日々見解が発表されていますが、日本の厚生労働省は電子タバコ利用時の健康被害をどのように捉えているのでしょうか。
健康被害についての研究などが進めば、電子タバコに関する法律や規制も変更になる可能性があります。
今後も安全に電子タバコを利用するために、改めて健康被害に関しての見解などをまとめました。
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何かと話題になる電子タバコ
アメリカで、電子タバコの使用者が死亡する事故が連日報道され、紙巻きのタバコよりも安全に見えた電子タバコでも健康が大きく脅かされるという衝撃が走りました。
日本でも電子タバコの利用者が増えてきている中で、このような事案は「今後電子タバコが法律で規制されたら、今までのように楽しめなくなるのではないか?」という声も多く上がっています。
日本のタバコとアメリカのタバコの違い
先述しておきたい内容としては、海外で問題になっている電子タバコと日本の店頭で販売されている電子タバコはリキッドに違いがあるという事。
日本のタバコ
・電子タバコ
タバコの葉を使用せず、香料などを使用したリキッドを気化させて吸うデバイス。リキッドにニコチンやタールなどの有害物質が入っていないのが特徴。
・加熱式タバコ
コンビニなどで販売されている加熱式タバコ。タバコの葉を加熱することで蒸気を発生させて吸うデバイス。紙タバコのように火で燃やさないので臭いや煙が抑えられているのが特徴。有害物質は含まれている。
アメリカなどのタバコ
・電子タバコ
タバコの葉は使用していないが、代わりに「ニコチンソルト」と呼ばれる物質が入っているものも販売されている。麻薬の違法な物質であるTHCと呼ばれる物質やビタミンEアセテートと呼ばれる有害物質が含まれているリキッドが含まれているものも。
日本国内に「電子タバコで健康被害が…」というニュースが出ると、アイコスなどの加熱式タバコも引き合いに出されることが多いですが、厳密に言うとアイコスなどは元々ニコチンなどの有害物質が含まれている立派なたばこ製品です。
「電子タバコ」は基本的にVAPEなどをはじめとしたタバコの葉を利用しないリキッドのみのデバイスを指します。
また、アメリカは地域や州によって大麻が合法化されている場所もあり、電子タバコのリキッドの中に含んで使用するという使い方もされていたようです。
今までに出た電子タバコの健康被害
これまで、電子タバコ利用者の健康被害のニュースは多く出ていましたが、死亡事故以外にどのような被害が出ているのでしょうか。
2019年11月中旬時点での電子タバコの健康被害について、簡単にまとめてみました。
肺疾患の患者が急増したアメリカ
2019年11月時点での電子タバコによる死亡者は42人、肺疾患などの症例は2,200件近く達しています。
アメリカではこの原因究明を行っており、添加物として含まれている「ビタミンEアセテート」や麻薬成分の「THC(テトラヒドロカンナビノール)」が原因の可能性が高いという見解を出していますが、特定までは至っていません。
原因がわかるまでは、アメリカの疾病予防管理センターは電子タバコの使用を控えるよう推奨しており、一部州では電子タバコの販売を禁止している地域もあります。
国全体としては、フルーツフレーバーなどの若年層向けリキッドの販売を停止しています。
健康被害に遭うのは若い世代のユーザーが多い
電子タバコの使用で健康被害にあったユーザーは17歳の未成年から40歳手前の若い世代。咳や息切れなどの呼吸器系の疾患を起こし、中には嘔吐や下痢などの症状を訴える人も。
多くは吸ってから数日~数週間でこれらの症状を訴え、呼吸器や肺疾患にかかったことが確認されています。
もちろん、未成年がニコチン入りのリキッドを吸うことは違法ですし、未発達の身体ではニコチン中毒などの健康被害が大きく出てしまいます。
アメリカなどの海外だけでなく、日本でもニコチンリキッドを個人輸入して使用する場合は、絶対に未成年の手に渡らないように管理することが大切です。
日本におけるタバコの健康被害について
先述したように、日本で電子タバコというと、アイコスやプルームテックなどを思い出す方も多いかもしれません。
アイコスやプルームテックは、害のあるタバコの葉を加熱して使用するものなので、明らかに健康被害が出るタバコ製品となっています。
これらの「加熱式タバコ」と呼ばれる製品は、従来の紙巻きタバコと比べて健康被害が少ないとされています。
しかし、完全に害のない製品として販売されているわけではないので注しましょう。
厚生労働省の見解をまとめてみた
では、このような健康被害などが連日報道されていた中で、日本の厚生労働省の見解をまとめてみました。
アメリカを中心に起きている健康被害の原因が特定されれば、日本国内の法律規制も変動するかと思いますが、現段階での公式の発表などをご紹介します。
電子タバコ使用の注意喚起を行っている
電子たばこの使用と疾病及び死亡リスクとの関連について現時点では明らかではありませんが、上記のような海外の状況を踏まえると、健康被害を起こすおそれが否定できません。
電子たばこを使用して、呼吸困難、息切れ、胸痛といった呼吸器症状が見られるなど、具合が悪くなった場合には、その製品の使用を直ちに中止し、医療機関を受診してください。
引用:厚生労働省「電子タバコの注意喚起について」
電子タバコを使用したことによる健康被害を踏まえ、電子タバコを使用しないという方針・使用後に具合が悪くなってしまった場合は医療機関の受診を推奨しています。
厚生労働省が発表しているアメリカと日本の状況
厚生労働省は上の見解で「電子タバコが原因とみられる症例のうち、多くは大麻関連成分のTHCが含まれている電子タバコを利用していたことが発表されたこと」「現時点では電子タバコの健康被害の原因が出来ていないこと」が書かれています。
日本においては「上記のTHCは大麻取締法等に抵触するため、日本国内への輸入・製造・販売は法律で固く禁じられている物である」ということも記されています。
現状、日本国内で販売されている電子タバコにこういった成分は一切含まれていないので、今回のような被害はほぼ皆無といっても過言ではないかと思われます。
日本で電子タバコを利用する際の注意点
厚生労働省の注意喚起にも記載されていたように、日本で使用されているリキッドにはTHCの成分は含まれておりません。
しかし、VAPEを利用しているユーザーの中には、ニコチン入りリキッドを個人輸入して使用しているという方も多いのではないでしょうか?
個人輸入をすでに行っている方は重々承知の話ではあるかと思いますが、ニコチンソルトが入っているリキッドを使用することによって血管収縮などの身体への反応が出ます。
従来の紙巻きタバコ同様、ニコチンによる健康への影響があるので、ニコチンソルトが入っているリキッドを利用されている方は節度を保って使用してください。
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また、個人輸入はあくまで「個人での使用を目的とした購入」のみ利用できます。
個人輸入で購入したニコチン入りリキッドなどを成人している方にニコチン入りのリキッドを渡したり、販売することはNGです。
もちろん、未成年の手に届かないよう十分に管理する必要があります。
周りの方が重篤な健康被害を受けないように配慮しながら、VAPEやニコチンリキッドを楽しみましょう。
電子タバコの健康被害と見解まとめ
今回の健康被害の騒動を受けて、アメリカでは電子タバコの販売が禁止されるといった噂もありましたが、現状は一刻も早い原因究明を待つばかりです。
しかし、未成年の手に簡単に渡ってしまったり、違法な薬物の吸引に利用されていたりしたことは事実ですので、今後POD型を中心とした電子タバコの大きな販売規制があることはほぼ間違いないと思います。
ニコチン入りのリキッドや、フレーバー付きのリキッドを楽しんでいる方は、お早めに購入をしておくこともおすすめします。