電子タバコが禁煙に有効

これまで数年にわたって、電子タバコは喫煙への入口になると繰り返し非難されてきましたが、Consumer Choice CenterとWorld Vapers‘Allianceから発表された調査レポートによる統計結果は一貫して非難内容と違う結論を示唆しています。調査レポートについて書かれた英文記事の翻訳をご紹介させていただきます。

出典: https://consumerchoicecenter.org/vaping-is-a-pathway-away-from-smoking-study-finds/

調査レポートで発見されたこと

「電子タバコは喫煙習慣の入り口という神話(Vaping and the Gateway Myth)」とタイトルされた調査レポートは、電子タバコが喫煙への入口となっている証拠があるかどうかを調査した。結論を端的にいえば、裏付けとなる明確な証拠はなかった。

調査で判明したことは、実際には、電子タバコが禁煙への入口であることであった。電子タバコは、喫煙者にニコチンをより安全に摂取できるように設計されており、本来のターゲット市場は成人喫煙者である。業界の目論見は成功し、多くの研究で、電子タバコがニコチンパッチやガムなどのニコチン置換療法の2倍の効果があることが分かっている。

レポートは、電子タバコが喫煙への入口になっているという主張として提起された様々な理由、たとえば、ニコチン含有量、若者に喫煙を奨励しているかどうか、フレーバー付き電子タバコに関する論争などを調べた。そして、レポートは一貫して、議論となっていた主張の根拠が見付からなかったことを認めている。

大抵の電子タバコにはニコチンが含まれている。やはり危険なのではないか?

実際のところ、電子タバコで吸入するニコチンが体に与える影響は、モーニングコーヒーと同程度である。ニコチンの過剰摂取が、神経毒として悪作用を及ぼすことは事実であるが、電子タバコの通常のニコチン摂取量だけでは、過剰のレベルに達することはない。

確かに、ニコチンは中毒性のある物質であるが、研究によると、喫煙者の中毒はニコチンだけによるものではなく、タバコの煙の他の成分、喫煙の習慣、または「喫煙をすること自体(儀式)」そのものにも帰せられる。これら他の成分などがない場合、多くの電子タバコ愛用者のニコチンへの渇望レベルが低下することが分かっている。

グラーツ大学の毒物学者であり、World Vapers’Allianceの科学顧問であるベルント・マイヤー教授は次のように説明している。

「喫煙者は中毒で死ぬのではなく、タバコの煙に含まれる有害な成分の影響で死に至っています。心臓血管系では、カフェインと同じように、ニコチンは血圧と心拍数のわずかな上昇をもたらします。これらの影響は臨床的に無害であり、深刻な病気(心臓発作、脳卒中)のリスクまたは死亡率はニコチンのみによっては増加しません」

報告書は、以前から喫煙者でない者が、ニコチンの摂取開始を奨励するものではないが、公衆衛生当局が喫煙者に対し、電子タバコは喫煙よりは安全な代替手段であることを認識させることは重要であると主張している。

従来の紙巻たばこは、燃焼すると7,000を超える化学物質を生成し、そのうち69は潜在的な発がん性が特定されている。一方、E-リキッドは主にプロピレングリコール(PG)と植物性グリセリン(VG)で構成されており、どちらも欧州食品安全機関(EFSA)によって、安全で有害ではないと認識されており、多くの食品生産物に含まれる一般的な成分である。

電子タバコは若者を喫煙者にしているのであろうか?

これは、米国で10代のベイパーの占める割合が高いこともあり、しばらくの間熱く議論されてきたもう1つのトピックである。しかし、現在この問題は英国では議論されておらず、10代の若者の間で電子タバコの愛好者は少なく、定期的に電子タバコを愛好する若者は元喫煙者または現在喫煙者である者であることがわかっている。

コリン・メンデルソンとウェイン・ホールは、Journal of Drug Policyの最近公開されたレビューで次のように結論付けている。

「(電子タバコが)喫煙者の入口となっているとの仮説に反して、電子タバコの愛用は、将来喫煙者となるリスクがある若者の特定集団を、喫煙から遠ざけている」

電子タバコが青少年を喫煙に導く可能性があるという誤解は、それらが新しい技術であるという事実に起因しているようであり、10代の若者は電子タバコを「クールで新しいもの」として試してみたくなるのでは見ていた。しかし、実際には、Action on Smoking and Health(ASH)のデータによると、英国の若者の喫煙率は史上最低水準であり、多くの若者が以前は電子タバコを試したことがあると報告しているのは事実であるが、試用と愛用は厳格に区別して捉えることが重要であろう。

「Vaping and the Gateway Myth」で述べられているように; 「若気の至りで、誰かがパーティーで友人の電子タバコを1回吸わせてもらうのと、毎日吸っている愛用者とでは明らかに違いが生じる」

電子タバコにおけるフレーバー付きリキッドの重要性

非喫煙者にとって電子タバコの魅力を低下させるために、フレーバー付きの電子リキッドを禁止することを検討している国が多くある。ただし、データによると、電子タバコの愛好者の約2%しか喫煙したことがなく、成人の禁煙の可能性を高めるには、フレーバー付きのe-リキッドの存在が不可欠となっている。現在の電子タバコ愛好者の他の3分の2は、タバコ風味でないe-リキッドを愛用しており、この選択肢が無くなると、多くの人が喫煙に戻るか、e-リキッドが規制されていない闇市場から購入する可能性がある。

イェール公衆衛生大学院は、フレーバー付き電子タバコ禁止の影響に関する研究で、多くの電子タバコ愛好者が非タバコフレーバーを好む主な理由は、このフレーバーがタバコの味を思い出させないためであり、電子タバコで非タバコフレーバーを愛用している場合、タバコフレーバーを愛用している場合より、2.3倍も禁煙に成功する可能性が高い結果が出ている。

レポートは、広告ルールの評価や、代替ニコチン源として成人喫煙者が電子タバコ商品に容易にアクセスできるようにすることを含む、喫煙による実害を減らすのに不可欠なツールとしての電子タバコの利用を政策立案者に推奨することを結論としている。