タバコは体に悪いとよく言われますが、害が少ないと言われている加熱式電子タバコはどうなのでしょうか。
結論からいえば、加熱式電子タバコも紙タバコと同様に危険性はあります。
では、紙タバコと加熱式電子タバコ、どっちが体に悪いのでしょうか。
本記事では、健康への影響や危険性をはじめ、ニオイやコスパなど様々な面から両者を比較します。
また、害を抑えてタバコの代わりに吸えるものはあるのかを徹底解説していきます。
タバコと加熱式電子タバコの違いは?
紙タバコと加熱式電子タバコは、どちらもタバコ葉を使用しますが、タバコ葉を燃焼させるか加熱するかという大きな違いがあるのが特徴です。
それに伴い、有害物質や煙、ニオイの発生にも差があります。
また、どちらも法律上はたばこ製品として扱われますが、適用される規制やルールには違いがあります。
まずは紙タバコと加熱式電子タバコの違いについて、仕組みやニオイ、法律上の扱いなどの観点から解説します。
タバコと加熱式電子タバコの仕組みの違い
1つ目の違いは仕組みが異なる点です。
- 紙タバコ
- タバコ葉を燃焼させて喫煙する
- 加熱式電子タバコ
- タバコ葉を直接燃焼させずに、加熱して発生させた水蒸気を吸う
このように、タバコ葉を「燃焼」させるか「加熱」するかが、両者の大きな違いです。
紙タバコはタバコ葉の燃焼によって有害物質が発生しますが、加熱式電子タバコは燃焼させないため、燃焼に伴って発生する一部の有害物質を抑えられるとされています。
タバコ葉の燃焼によって発生する有害物質
タバコが体に悪いとされる原因の1つは、タバコ葉を燃焼させることで発生する様々な有害物質です。
前述の通り、加熱式電子タバコはタバコ葉を燃焼させないため、タバコ葉を燃やすことで発生する以下のような有害な成分が発生しにくい・しないとされています。
- タール
- 発がん性物質があるとされる約70種類の物質を含む粒子成分
- 一酸化炭素
- 酸素を血液中に運ぶ機能を阻害し、酸素不足を引き起こす危険性のある気体
加熱式電子タバコは、タールや一酸化炭素の発生しにくいですが、一部有害物質は紙タバコよりも多く含まれていたり、紙タバコには存在しない有害物質が含まれていたりします。
また、加熱式電子タバコの長期使用による健康リスクは、まだ十分に明らかになっていません。
そのため、燃焼による有害物質が少ないからといって、健康への影響を大幅に抑えられるとは限らない点には注意が必要です。
タバコと加熱式電子タバコのニオイの違い
2つ目の違いは、ニオイの有無についてです。
紙タバコはタバコ葉を燃焼させるため、煙とともに、タバコ特有のニオイが発生します。
このニオイは、服や髪、部屋などにニオイが残りやすいことも特徴です。
一方、加熱式電子タバコは、燃焼による煙が発生しないため、紙タバコよりもニオイが少ない商品も存在します。
煙やニオイが抑えられていることで、周囲に迷惑をかけにくいとも言えます。
ただし、加熱式電子タバコにも多少ですが、独特のニオイを感じるものもあるため、全く無臭というわけではありません。
タバコと加熱式電子タバコの法律上の扱いの違い
3つ目の違いは、法律上の扱いについてです。
紙タバコと加熱式電子タバコは、どちらもタバコ製品として扱われますが、喫煙可能場所についての規制には違いがあります。
2020年に施行された改正健康増進法にて、全てのタバコ製品は屋内で原則禁煙となりましたが、加熱式電子タバコに限り、専用喫煙室で飲食などをしながら喫煙することが認められています。
2026年7月に見直しが検討されましたが、加熱式電子タバコの健康影響について科学的知見が少ないことから、規制強化は見送られ、現在の措置を継続する方針が示されました。
【比較】加熱式電子タバコとタバコはどっちが体に悪い?
加熱式電子タバコは、紙タバコと比べて一部の有害物質の発生量が少ないとされています。
そのため、紙タバコの方が体に悪いと考えられがちですが、加熱式電子タバコも健康へのリスクがあるため、一概にどちらが体に悪いとは言えません。
実際に、厚生労働省が2026年6月に発表した資料でも、下記のように言及されています。
加熱式たばこは、紙巻たばこと比較して有害物質のレベルは低いが、必ずしも健康被害が少ないことを意味するものではない。(一部抜粋)
「リスクリダクション」が主張されているにもかかわらず、加熱式たばこが従来のたばこ製品よりも有害性が低いことを示すエビデンスはない。(一部抜粋)
ここからは、発がん性物質や一酸化炭素、ニコチンや受動喫煙など、様々な側面から両者を比較し、それぞれの健康への影響について詳しく解説します。
加熱式電子タバコは紙タバコより発がん性物質が少ない
タバコの影響で最も気になる要素の1つは「発がん性物質」でしょう。
紙タバコには、250種類以上の有害または発がん性がある物質が含まれているとされています。
一方、加熱式電子タバコは紙タバコと比べて、発生する発がん性物質の量が少ないとされていますが、加熱式電子タバコにも発がん性の可能性がある物質が含まれているのは事実です。
2026年6月に厚生労働省が発表した資料では、紙タバコの煙には含まれない4つの発がん性の可能性がある化学物質が確認されたと報告されています。
参考:紙巻たばこ、加熱式たばこに関する知見について(厚生労働省)
このように、加熱式電子タバコは一部の発がん性物質を抑えられる一方、発がん性物質がゼロになるわけではありません。
また、加熱式電子タバコでがんになる危険性がどれほど軽減するのかは不明であるため、依然として注意が必要です。
加熱式電子タバコは一酸化炭素の発生量が少ない
紙タバコを吸うと、タール・一酸化炭素などの有害な物質がいくつも発生します。
なかでも一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結びついて酸素の運搬を妨げる物質です。
一酸化炭素を体内に取り込むことは、酸欠や動脈硬化のリスクを引き起こしたり、血管壁や血小板を傷つけ、動脈硬化を促進させたりといったリスクがあります。
一方、加熱式電子タバコはタバコ葉を燃焼させないため、紙タバコと比べて一酸化炭素の発生量が大幅に少ないとされています。
そのため、一酸化炭素による危険性は加熱式電子タバコの方が低いと言えるでしょう。
ニコチンはどちらにも含まれる
紙タバコにも加熱式電子タバコにもニコチンは含まれています。
加熱式電子タバコ用のタバコスティックには、明確なニコチン量の記載はありませんが、多くの研究で加熱式電子タバコのニコチン量は紙タバコの約70%という報告が取り上げられています。
一見すると、加熱式電子タバコの方がニコチン濃度が低く、害が少ないと考えられそうですが、ニコチン依存については同程度かそれ以上の依存度を示すとの報告があります。
参考:加熱式たばこに関するこれまでの知見の整理(厚生労働省)
そのため、ニコチン濃度が紙タバコより低いからといって、依存性や健康への影響も小さいとは限らないのです。
ニコチンによる健康へのリスクは、加熱式電子タバコも注意が必要と言えるでしょう。
どちらも高血圧のリスクはある
紙タバコは、喫煙することで血管機能に悪影響を与え、高血圧になりやすいということは知られていますが、近年の研究で、加熱式電子タバコでも同様の発症リスクがあることが分かってきました。
厚生労働省は、「加熱式電子タバコの使用が高血圧発症と関連がある」とした研究結果を報告しています。
参考:加熱式たばこに関するこれまでの知見の整理(厚生労働省)
高血圧のリスクという点では、紙タバコだけでなく加熱式電子タバコにも注意が必要です。
受動喫煙による健康リスクはどちらにもある
受動喫煙による健康への影響は、紙タバコよりも加熱式電子タバコの方が少ないとされていますが、健康リスクはどちらにもあります。
WHOは、紙タバコの受動喫煙が年間160万人の死亡原因になっていると推計しており、なかでも心疾患や肺がんなどの健康リスクを高めるとしています。
一方で加熱式電子タバコの水蒸気による受動喫煙については、喘息の症状や咽頭痛、頭痛及び胸痛などとの関連が報告されています。
参考:紙巻たばこ、加熱式たばこに関する知見について(厚生労働省)
ただし、長期的な健康への影響は十分に明らかになっていないのも事実です。
受動喫煙による健康リスクが抑えられると考えられていても、加熱式電子タバコも周囲への配慮が必要です。
加熱式電子タバコの長期的な健康リスクは不明
ここまで解説したように、加熱式電子タバコは紙タバコと比べて、一部の有害物質の発生量が少ないとされています。
しかし、加熱式電子タバコは市場に登場してからの期間が10年余りと比較的短く、長期的な健康リスクについては、まだ十分に明らかになっていません。
特にがんなどの発症までに長い期間を要する病気については、加熱式電子タバコを対象とした研究結果が少なく、健康への影響を十分に確認できないのが現状です。
有害物質が少ないからといって、健康への影響が少ないとは言い切れないため、加熱式電子タバコにもリスクがあることを理解したうえで使用するようにしましょう。
タバコと加熱式電子タバコ、選ぶならどっち?
ここまで、紙タバコと加熱式電子タバコの違いや健康への影響について解説してきました。
では、実際にどっちを選べばよいのでしょうか。
どちらを選ぶか迷った時は、自分が何を重視するかで考えるのがおすすめです。
例えば、紙タバコは満足のいく喫煙感を得やすい一方で、煙やニオイが発生する点が気になる人もいるでしょう。
加熱式電子タバコは、煙やニオイを抑えやすいものの、専用デバイスの準備やメンテナンスも必要になるといったように、それぞれにメリットと注意点があります。
ここからは、「ニオイ」「コスパ」「健康」の3つの観点から、紙タバコと加熱式電子タバコを比較していきます。
ニオイで比較するとどっち?
ニオイや周囲への影響を重視するなら、加熱式電子タバコの方がおすすめです。
紙タバコの独特のニオイは服や髪に付着しやすいため、人と会う仕事をしている人や、喫煙後に人と会う予定がある人は気になるかもしれません。
一方、加熱式電子タバコは紙タバコと比べて煙やニオイが少ないため、服や髪にニオイがつきにくいです。
周囲への影響をできるだけ抑えたい人や、タバコのニオイで印象を悪くしたくない人は、加熱式電子タバコを選ぶとよいでしょう。
コスパで比較するとどっち?
コストを重視する場合、紙タバコと加熱式電子タバコのどっちが安いかは、一概には言えません。
タバコスティックの価格には2026年9月現在では大きな差はありませんが、加熱式電子タバコはデバイス代も必要になるため、加熱式電子タバコの方が出費が増える可能性はあります。
ただし、2027年以降は紙タバコ、加熱式電子タバコのいずれも増税による値上げ対象となっているため、値上げの動向を見つつ、1日に吸う本数やデバイス代なども含めて比較することが大切です。
健康面で比較するとどっち?
健康面を重視するのであれば、紙タバコと加熱式電子タバコのどちらもおすすめできません。
加熱式電子タバコは、紙タバコより一部の有害物質が少ないとされていますが、ニコチンによる依存性や健康への被害が指摘されているためです。
健康への影響をできるだけ抑えたいのであれば、紙タバコや加熱式電子タバコではなく、ニコチンやタールを含まない電子タバコ(VAPE)を選ぶのも1つの選択肢です。
健康を考えるなら電子タバコ(VAPE)という選択肢もオススメ
紙タバコや加熱式電子タバコは、どちらもタバコ製品であるため、健康に害があることは否めません。
そこで、健康面を重視する人におすすめしたいのが、リキッドと呼ばれる香りや味のついた液体を加熱し、発生した水蒸気を楽しむアイテム 「電子タバコ(VAPE)」です。
ここからは、電子タバコ(VAPE)と加熱式電子タバコには、具体的にどのような違いがあるのかを詳しく解説していきます。
電子タバコ(VAPE)と加熱式電子タバコの仕組みの違い
加熱式電子タバコと電子タバコ(VAPE)は混同されがちですが別物です。
- 加熱式電子タバコ
- タバコ葉を電気で加熱して発生した水蒸気を吸う
- 電子タバコ(VAPE)
- タバコ葉を使用せず、香りや味のついたリキッドを電気で加熱して発生した水蒸気を吸う
紙タバコや加熱式電子タバコとは異なり、タバコ葉を使用しないことが大きな特徴で、タバコ葉による有害物質が発生しないというメリットがあります。
電子タバコ(VAPE)と加熱式電子タバコの健康面での違い
日本国内で販売されている電子タバコ(VAPE)は、ニコチンが含まれておらず、健康被害の少ない成分のみで構成されています。
そのため、ニコチンによる依存性の心配がなく、健康への影響も少ないと言えます。
一方、加熱式電子タバコは、ニコチンを含むため依存症があり、有害物質による様々な健康への影響が指摘されています。
ただし、電子タバコ(VAPE)は開発されてから日が浅いため、長期間吸った場合に健康面でどのような影響があるのかは完全に解明されておらず、リスクがないとは言い切れません。
使用する際は十分に理解した上で利用するようにしましょう。
電子タバコ(VAPE)と加熱式電子タバコの法律上の違い
日本国内で販売されている電子タバコ(VAPE)は、薬機法でニコチンが含まないものと定められています。
ニコチンを含まないため、法律上ではタバコ製品には該当せず、雑貨として取り扱われており、タバコよりもアロマに近いアイテムです。
一方、加熱式電子タバコはタバコ葉を使用するため、タバコ製品として扱われ、20歳未満の喫煙が禁止されています。
ただし、電子タバコ(VAPE)は、20歳未満の使用については明確な定めはありませんが、多くのメーカーが20歳未満への販売を行っていないため注意しましょう。
ニコチン入り電子タバコもある
海外では、ニコチン入り電子タバコも販売されています。
ニコチンなし電子タバコより強いキック感を楽しめることや、タールが含まれていないため紙タバコ・加熱式電子タバコより健康リスクを抑えられることが魅力です。
ただし、日本でニコチン入り電子タバコの購入・販売・譲渡は禁止されており、個人使用を目的とした個人輸入でのみ入手可能となっています。
電子タバコ(VAPE)のメリット
国内で販売されている電子タバコ(VAPE)はタバコ葉を使用していないため、ニコチンを摂取せずに喫煙感覚を楽しめます。
また、タバコ税の課税対象となるタバコ製品ではなくコスパもいいため、お財布にも優しいというのも利点です。
ここからは、電子タバコ(VAPE)の具体的なメリットを3つ紹介します。
メリット①|ニコチン・タールフリー
前述の通り、国内で販売されている電子タバコ(VAPE)はタバコ葉を使用しておらず、ニコチンが含まれていません。
また、紙タバコのようにタバコ葉を燃焼させるものではないため、燃焼によって発生するタールもありません。
電子タバコ(VAPE)のリキッドは、食品添加物としても使用される「プロプレングリコール(PG)」や「植物性グリセリン(VG)」が主成分となっています。
- プロプレングリコール(PG)
- 麺類やおにぎり、ケーキやアイスクリームなどの加工に使用
- 植物性グリセリン(VG)
- チューインガムやパン、焼菓子などの加工に使用
日常的によく摂取される成分のため、電子タバコ(VAPE)は、紙タバコや加熱式電子タバコよりも健康への影響は少ないと言えるでしょう。
メリット②|タバコ税がかからずコストを抑えやすい
電子タバコ(VAPE)は、タバコ葉を使用していないため、タバコ税の課税対象外です。
つまり、値上げの一途をたどる紙タバコや加熱式電子タバコよりも、比較的リーズナブルに利用することができます。
リキッドを補充して繰り返し使用できるタイプであれば、使い捨てタイプと比べてランニングコストを抑えられる場合もあります。
ただし、実際の費用は本体代やリキッドの使用量によって異なるため、購入時はトータルのコストで比較することが大切です。
紙タバコや加熱式電子タバコの値上げが続くなか、喫煙にかかる費用を抑えたい人にとって、電子タバコ(VAPE)への切り替えは選択肢の1つになるでしょう。
メリット③|味の種類は1万種類以上
電子タバコ(VAPE)は、フレーバーの種類が豊富なことも魅力です。
フレーバーリキッドだけで言うと、その数は1万種類以上にものぼります。
これだけ味の種類が多い理由は、紙タバコのようにタバコ葉の味に左右されることがないためです。
例えば、電子タバコ(VAPE)には、以下のようなフレーバーがあります。
- タバコ味
- タバコ特有の香ばしさやコクを感じられる、深く落ち着いた味わい
- フルーツ味
- いちご・メロン・ピーチなど、果物の甘さや爽やかさを楽しめる味わい
- ドリンク系
- コーラ・コーヒー・エナジードリンクなど、身近な飲み物をイメージした味わい
- スイーツ系
- バニラ・キャラメル・チョコレートなど、濃厚な甘さを楽しめる味わい
このように、電子タバコ(VAPE)には様々なフレーバーがあるため、その日の気分に合わせて味を変えることもできます。
電子タバコ(VAPE)はタバコを吸っている人はもちろん、初めてタバコを吸う人にもおすすめできるデバイスです。
タバコと電子タバコどっちが体に悪い?まとめ
今回は、紙タバコと加熱式電子タバコのどっちが体に悪いかを様々な側面から比較しました。
加熱式電子タバコは紙タバコより一部の有害物質が少ない一方で、健康への害や危険性がなくなるわけではありません。
また、健康面だけでなくニオイやコスパの面でも比較しましたが、ニオイは加熱式電子タバコの方が少なく、コスパは大きな差はありませんでした。
どっちを選ぶかは、自分が何を重視するかによって決めるとよいでしょう。
もし健康を重視するなら、ニコチンを含まない電子タバコ(VAPE)を検討するのもおすすめです。
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